殻割り!!
で、同時に話題になっているのが「殻割り」。ヒートスプレッダを一旦外し、高級グリスに交換して戻すというリスクがある作業ですな。でも、これをやるとオーバークロック(OC)時のCPU温度が20度くらい下がるとのこと<環境によるけど。
ヒートスプレッダを外すにはヒートスプレッダを固定しているシール材をカッターで切らなきゃいけなくて、リスクが大きいんですよねぇ。でも、これをやるとやらないとでは・・・。
ってことで、一大決心してやってみたぜぇ~。ワイルドだろ~。
↑まずは3770Kをマスキングテープで固定。3770Kの裏側には細かいチップがついていて、万が一それが取れてしまうと死亡なので、キムワイプを畳んでクッションとして敷きました。
ただ、この↑のマスキングテープでの固定はあまり意味が無いというか、むしろ良くないです。カッターの刃を入れる隙間が予想以上に狭いので、マスキングテープが基板に貼ってあるとカッターの刃が浮いてしまって隙間に入りにくいんです。
なので、マスキングテープ(別に他のテープでも良いですが)で固定する場合は、ヒートスプレッダごとテープを貼ってしまって、カッターの刃を入れるところだけ開けておくようにすれば良いです。マスキングしないことで、基板を傷つけてしまう可能性はありますが意外と大丈夫です。
作業途中の写真を取り忘れちゃいました(^_^;)
最初の刃入れが固くて少し苦労しました。基本的には4つ角のどこか刃を入れやすいところから入れる感じですね。私は右下の角から上に向かって切っていきました。
実物を目の前で見ると隙間がホント狭いので、「こんなところに刃を入れていいのか!?」って感じでドキドキしながらなので変なところに力が入っちゃったり・・・。でも、刃が入っちゃえば、あとは割とすんなりと切ることができます。
気をつけなきゃいけないのは刃を入れすぎないことですね。少しずつ刃を入れて、慎重に慎重に・・・。特に中央下はシーリング幅が狭いので刃の入れすぎ注意です。最初の1周はの先だけで切って、その後は刃をCPUの側面の長さ以上に出して、側面全体に入れ込んで切るって感じかな。
↑そして、こんな感じに殻割り完了。コアに傷無しで成功です。例に漏れず、グリスが雑に塗ってありますね(苦笑)。
グリスを無水エタノールを染みこませたキムワイプで拭き取り、シーリング材は爪で取りました。
ヒートスプレッダ側のシーリング材はカッターで取ったってかまわないのですが、基板側は怖いですし・・・。道具を使うより爪が一番取りやすいと思います。あ、でもヒートスプレッダ側の細かいところは爪楊枝で取りました。
↑除去完了。
↑『Liquid
Pro』(リキプロ)をコア側とヒートスプレッダ側の両方に薄塗りしました。リキプロは普通のグリスと違って塗りにくいことで有名ですが、私は爪楊枝を斜めにして擦り込むように塗ってみたら割と簡単に塗れちゃいました。時間はかかりますけどね。
ヒートスプレッダと基板の再接合には水回り用シリコーン系コーキング剤のセメダイン『バスコークN
白』を使いました。黒色のバスコークNも売ってるんですが、余ったバスコークNを風呂場で使いたかったので白です(^_^;)
少量を出して、これまた爪楊枝で少しずつ伸ばすように塗りました。一応、ガス抜き(?)用に上側の一部には塗っていません。元々は下側の一部が抜けているのですが、万が一、リキプロが流れ出してしまった場合を想定して下側は塞いでおくことにしました<リキプロは電導性や腐食性があります。
ヒートスプレッダの表側にあらかじめテープを貼っておいて、基板との接合時の作業性を良くしておくと吉。
↑というわけで無事に完成!!
↑ちょっと過程の写真が飛びますが3770K改を載せてヒートスプレッダの表面にリキプロを塗った状態です。
本当はCPUクーラー側にもリキプロを塗った方が良いんですよね。きっと。でも、何となく省略しちゃいました。垂れたりすると怖いし・・・。
リキプロのエージングも、バスコークNの硬化も48時間必要とのことですが、当然ながら待ってらんないので、4.5GHz(Offset
+0.090)にOC状態でCINEBENCH11.5をやってみました。
↑上のが殻割り前で下が殻割り後です。室温は26~27度くらいです。
最小値は大差ありませんが、最大値は10度前後も差があります(現在値は正しい値じゃないです)。殻割りした甲斐がありました!!これなら安心して夏を越せますね。
ただし、殻割りしたからってOC耐性が上がるわけではありません。試しに4.7GHzまでクロックアップしてみましたが、安定動作にはかなりCPU電圧を盛ってあげなければならなくて、結局ピーク時のCPU温度が70度を超えてしまいます。
やはり殻割り後でもOCは4.5GHzあたりで常用するのが妥当な感じですね。特にこれからは気温が上がりますからねぇ。
さて、今回の作業、大変リスクは高いですか、なかなか有意義な作業でした。当然ながら保証がなくなってしまいますが、勇気がある方はお試しあれ~